IPO(新規公開株)の概要(IPO(新規公開株)とは?)
IPO(新規公開株)は、Initial Public Offering の略です。日本語では、「新規公開」という意味になります。それまで日本国内で非上場・非公開だった株式を、新規に上場することを指します。年間に120~150社が新規上場を果たしています。
非公開株式でも売買は可能です。しかし、非公開の株式を買おうとすれば、株式を持っているヒトを探し出して、売買価格の交渉を相対した上で、双方合意する、という手順を踏む必要があります。これに対して、上場してしまった株式であれば、誰でもが市場がつけた価格で比較的短時間に売買することが可能になります。
公開(IPO(新規公開株))した企業サイドのメリットと責任
上場する企業サイドのメリットは、主には以下の点です。
- 新株を公募することで、株式市場からの資金調達が可能になる。
- 会社の信用度が向上し、金融機関からの資金調達がスムーズになる。
- 信用度が上がると、人材の採用にも強みとなる。新規出店・取引などにも有利。
一方で、株式を公開した企業には、不特定多数のヒトから資金を調達したわけですから、投資家保護の観点から、透明性の高い企業情報の開示が求められることになります。具体的にどこまで開示する必要があるかは、証券取引法や証券取引所の開示規則によって定められています。
こうした規則で定められた開示水準は、あくまでも「最低限開示しないといけない義務」を示したものです。定められた水準以上で開示することには、当然全く問題がありません。法定開示水準を超えて、どこまで開示しているかという点をみることで、企業の投資家に対する姿勢を読み取ることも可能です。
上場に疑義のあるケース
上に書いたように、公開する企業サイドにもメリットがあるからこそ、株式公開されるのですが、中には、上場に疑義を持たざるをえないようなケースもあります。
まずは、上場前からその企業の株式を持っている既存株主が、公開によって価格と流動性の向上した株を高値で大量に売り抜けることが目的ではないかと勘ぐりたくなるケースです。上場後の株式売却によるキャピタルゲインを得るという手法は、まさに資本家の行動であって、今の資本主義の世の中では非難されるべきものではないでしょう。ただ、方法の問題として、既存株主だけが利益を得て、その分の損失を上場後の株主がカブるという形では、良くないように思います。上場した企業は、継続的に成長をしてもらって、上場前の株主も上場後の株主にとっても利益が出る形が望まれます。
二つ目は、いわゆる「親子上場」のケースです。イトーヨーカ堂とセブンイレブン、NTTとNTTドコモのように、親子の時価総額が逆転する現象が起きるケースや、資本のねじれ関係が騒動の発端となったフジテレビ・日本放送のケースが発生した今となっては、子会社の上場にどのような意味があるのか、非常にわかりにくくなっています。そうした中でも、敢えて小会社を上場させようとすることは、親会社の利益を膨らませる手段とみなされてもやむをえないでしょう。

